INFORMATION: WHAT MAY CHANGE

情報活用能力と「情報」で、
何が変わり得るのか。

情報活用能力は、次期改訂で「抜本的向上」が柱の一つに置かれた領域です。文部科学省の情報・技術ワーキンググループ「取りまとめ(案)」(2026年8月)には、小学校に「情報の領域」、中学校に「情報・技術科」を新設し、高校の情報科を充実させる案が、内容項目の名前まで書かれています。ただし、まだ正式な学習指導要領ではありません。いつから、何が、どこまで決まっているかを、確度を色で分けて読みます。

HOW TO READ

色の意味

現行・継続

すでに現行学習指導要領にあり、次期案でも維持・充実が示される内容です。

取りまとめ案で具体化

ワーキンググループの案に、教科・領域・内容項目の例まで示されています。まだ決定ではありません。名称はすべて仮称です。

未確定

授業時数、各学年の細かな内容、開始時期、教科書や指導体制の整備は今後の検討・正式手続で決まります。

WHEN

いつから変わるのか

学習指導要領全体のスケジュールでは、小学校は2030年度、中学校は2031年度から全面実施、高校は2032年度の入学生から学年進行です。情報の新教科・領域については、それを待たずに小学校は2028年度から、中学校は2029年度から段階的に先行実施する経過措置を検討すると取りまとめ案に書かれています。

学校種改訂(告示)予定周知・先行実施全面実施
幼稚園等2026年度末2027年度 周知2028年度(令和10年度)から全面実施
小学校2026年度末2027年度 周知 → 2028〜2029年度 先行実施2030年度(令和12年度)から全面実施
中学校2026年度末2027年度 周知 → 2028〜2030年度 先行実施2031年度(令和13年度)から全面実施
高等学校2027年度末2028年度 周知 → 2029〜2031年度 先行実施2032年度(令和14年度)入学生から学年進行、2034年度(令和16年度)全面実施

出典:文部科学省 総則・評価特別部会(2026年7月8日)参考資料3「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」。資料に「今後変更の可能性がありうる」と明記されています。先行実施の具体的な時期・内容は随時検討、特別支援学校は対応する学校種と同様の想定です。

FRAMEWORK

骨組みが変わり得ること(小・中・高に共通)

個々の教科より先に、「情報活用能力とは何か」「どこで育てるか」の整理が変わる案です。ここが小学校から高校までの新教科・領域の前提になっています。

情報活用能力を「情報技術の活用」に絞り、3つの要素で整理

変わり得ること

「情報の活用」は各教科(言語能力と重なる)に任せ、情報活用能力は「情報技術の活用」に絞って、①活用 ②適切な取扱い ③特性の理解 の3要素で小・中・高を通して整理する案です。

現行
情報活用能力は「情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりするために必要な資質・能力」で、言語能力などと並ぶ「学習の基盤となる資質・能力」として各教科等で育てる位置付けです。
取りまとめ案
3要素を軸に、小学校(必要な情報を集めて整理し身近な課題を解決できる)、中学校(複数の方法で収集・分析し根拠を基に表現できる)、高校(多様な情報を構造化して多角的に分析し論理的に議論できる)と段階を明示。高校卒業までに全員が数理・データサイエンス・AIの「リテラシーレベル」を身に付けることを目標にしています。
未確定
各学年での具体的な到達目標の書きぶりは、告示と解説で示されます。

育成の「要」となる教科・領域を置き、各教科は教科固有の学びに集中

変わり得ること

これまで各教科でばらばらに教えていたタイピング、グラフの作り方、データ分析、プログラミングなどを新教科・領域でまとめて体系的に教え、各教科はそれを前提に内容を精選する案です。

現行
小学校では教科等に明確な位置付けがなく、コンピュータやネットワークの仕組みは扱われていません。中学校は技術・家庭科(技術分野)の一領域、高校は情報科が主に担い、学校差が大きいと指摘されています。
取りまとめ案
小学校総合の「情報の領域」、中学校「情報・技術科」、高校「情報科」を「要」と位置付け。例えば小学校社会で教えていたコンピュータでの情報収集の方法は「情報の領域」で学び、社会科はそれを前提に調べまとめる学習に集中できる、という整理です。メディアリテラシー、AI、プログラミング的思考(AIへの指示と生成物の検証を含めて捉え直し)を重点内容としています。
未確定
どの教科のどの内容を新教科・領域へ移すかは、教育課程全体を見ながら今後整理するとされています。
SPECIFIC CHANGES IN THE DRAFT

変わり得ることを、学校種ごとに具体的に

強調表示した行が、取りまとめ案に明記された「変化の案」です。淡い表示の行は、まだサイトが断定してはいけない部分です。

小学校|総合的な学習の時間に「情報の領域」を新設

変わり得ること

小学校3〜6年の総合的な学習の時間を「探究の領域」と「情報の領域」の2領域にし、情報の領域で情報技術の活用・適切な取扱い・仕組みの理解を体系的に学ぶ案です。

現行
情報活用能力は各教科等を通じて育成し、プログラミングは算数・理科などの中で体験します。総合的な学習の時間は探究的な学習が中心です。
取りまとめ案
内容は①活用(課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現、基本的な操作)、②適切な取扱い(法や制度、倫理、安全・メディア理解)、③特性の理解(情報とコンピュータ、AI、アルゴリズム・プログラミング、デザイン、データの扱い、コミュニケーションやメディア、社会的役割)。探究の流れに乗せる「ミニ探究ユニット」(例:デジタルのマイルールをつくる、プログラムでロボットを動かす、生成AIの特性を踏まえた作品制作)と、独立して学ぶ「情報ブロック」を組み合わせます。低学年は各教科で文字入力や撮影などの基本操作に慣れる位置付けです。
未確定
授業時数は決まっていません(学習活動の目安として小3で28項目程度、小4で27、小5で31、小6で30が示されていますが、年間総授業時数を増やさない前提で教育課程全体の中で検討)。内容項目は「現時点での検討」で、国の授業動画で年1回以上更新する前提です。

中学校|「情報・技術科」を創設

変わり得ること

技術・家庭科の技術分野を発展させ、「情報技術」と「情報を基盤とした生産技術」の2領域からなる新教科「情報・技術科」をつくる案です。名称は「情報技術科」ではなく「情報・技術科」が適当としています。

現行
技術・家庭科(技術分野)で、A材料と加工、B生物育成、Cエネルギー変換、D情報の技術を学びます。コンピュータやネットワークの仕組み、データ活用は十分に扱われていないと指摘されています。
取りまとめ案
「情報技術」領域は (1)情報の表現とデジタル化 (2)プログラミングと自動化 (3)情報基盤とシステム化 の3項目。「情報を基盤とした生産技術」領域は (1)材料加工とデジタル製作 (2)生物育成とデータ活用 (3)エネルギー変換とスマート化 に、両領域を横断して課題解決する (4)技術の統合 を加えた4項目。3Dプリンターやセンシングデータなど情報技術との関わりを強めます。学習の順序は引き続き教師の裁量です。
未確定
授業時数は未定(学習活動の目安は中1で65項目程度、中2で66、中3で32)。指導体制は課題とされ、免許外担任の解消や研修動画(2028年度末まで)を国が進めるとしています。

高校|情報Ⅰは必履修のまま、内容を5項目に組み直し、情報Ⅱを充実

変わり得ること

情報Ⅰが必履修になったのは前回改訂、共通テストに加わったのは2025年度のため「安易な科目構成の変更は混乱を招く」として、情報Ⅰ(必履修)+情報Ⅱ(選択)の構成を維持。そのうえでAI・データサイエンスを充実し、情報Ⅱは単位数を柔軟に配当できるようにする案です。

現行
情報Ⅰ(2単位・必履修)は「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」の4領域。情報Ⅱは選択科目です。
取りまとめ案
情報Ⅰは (1)情報の仕組みと社会との関わり (2)情報デザインとデザイン思考 (3)データ分析とモデル化・シミュレーション (4)アルゴリズムとシステム開発 (5)PBLによる課題解決の実践 の5項目。情報Ⅱは (1)社会課題とデータサイエンス (2)コンテンツデザイン (3)AI (4)先端技術と情報システムデザイン (5)PBLによる価値創造の実践。中学で学ぶ内容を前提に一部を移行し、教科全体の総量は現行を上回らないとしています。
未確定
情報Ⅱの単位数の幅、各項目の具体的な内容、情報Ⅰと情報Ⅱや数学Ⅰの一部を組み合わせた科目の扱いは、告示と解説で示されます。
MAPPING

現行と取りまとめ案の対応

学校種ごとに「どこで」「何を」学ぶかがどう変わり得るかを一覧にしました。取りまとめ案の段階で、名称はすべて仮称です。

学校種現行の位置付けと内容取りまとめ案
小学校教科等に明確な位置付けなし。各教科でコンピュータの活用、算数・理科などでプログラミングを体験総合的な学習の時間に「情報の領域」(3〜6年)を新設。活用/適切な取扱い/特性の理解の3項目。低学年は各教科で基本操作
中学校技術・家庭科 技術分野の一領域「D 情報の技術」(A材料と加工、B生物育成、Cエネルギー変換と並ぶ)「情報・技術科」を創設。「情報技術」領域(3項目)+「情報を基盤とした生産技術」領域(現行A〜Cに対応する3項目+技術の統合)
高校 情報Ⅰ必履修。情報社会の問題解決/コミュニケーションと情報デザイン/コンピュータとプログラミング/情報通信ネットワークとデータの活用必履修を維持。情報の仕組みと社会との関わり/情報デザインとデザイン思考/データ分析とモデル化・シミュレーション/アルゴリズムとシステム開発/PBLによる課題解決の実践
高校 情報Ⅱ選択科目選択科目を維持し、社会課題とデータサイエンス/コンテンツデザイン/AI/先端技術と情報システムデザイン/PBLによる価値創造の実践。単位数を柔軟に配当
各教科タイピング、グラフ作成、データ分析、プログラミングなどを教科ごとに個別に指導新教科・領域で体系的に学ぶ前提に立ち、各教科は重複を精選して教科固有の学びに重点化

出典:情報・技術ワーキンググループ取りまとめ(案)2. 新教科・領域の創設、5. 内容の改善のあり方、補足イメージ⑮。取りまとめ案 の段階で、告示で変わる可能性があります。

HOW IT WILL BE RUN

授業時数・指導体制・先行実施の考え方

新しい教科・領域をつくるには時間と教える人が要ります。取りまとめ案はここも論点として扱っています。

授業時数

検討中
年間の標準総授業時数は増やさない方針が前提。新教科・領域の学習活動を小さな単位に分けて積み上げた目安(小3〜6で27〜31項目、中1・2で65〜66項目、中3で32項目)を参考資料として示し、各教科から移せる内容の精選効果とあわせて教育課程全体で判断するとしています。
未確定
具体的な標準授業時数、どの教科の時数を調整するかは決まっていません。

教える人と環境

検討中
2025年度時点で中学校技術分野は臨時免許543名・免許外担任1,863名、高校情報科は臨時免許47名・免許外担任97名で「危機的」と資料は述べています。国は授業でそのまま使える動画教材、小学校向け研修動画(2027年度末まで)、中学校向け研修動画(2028年度末まで)、免許法認定講習、複数校指導・遠隔授業の実証、3Dプリンターなどの整備促進を進めるとしています。

先行実施

検討中
全面実施(小2030年度、中2031年度)を待たず、小学校は2028年度から、中学校は2029年度から段階的に先行実施する経過措置を検討。前回改訂で小学校外国語を2年間先行実施した例が参考に挙げられています。調整授業時数制度も小中ともに2028年度から先行実施の予定です。
未確定
経過措置の具体的な内容は国で精査するとされています。
STATUS

「方向性だけ」の段階ではない。ただし確定でもない。

2026年8月に掲載された情報・技術ワーキンググループの取りまとめ(案)には、上記のように教科・領域の構成と内容項目の案が明記されています。一方、資料自体に「具体的な内容項目についてはあくまでも現時点での検討」「国において精査」とあり、授業時数・各学年の内容・先行実施の中身を断定することはできません。

FOR TEACHERS AND SCHOOLS

新しい学習指導要領に向けた「情報」の準備を、かわさき楽AIサポートが伴走します

情報の領域、情報・技術科、情報Ⅰ・Ⅱの見直しで最初に必要になるのは、教える側が生成AIとデータを自分の道具として使えることです。まなびAIを運営するかわさき楽AIサポートは、塾・教室・学校向けに、AIの専門家ではなく整理役・伴走者として次の3つをお手伝いします。

教員・講師向けの生成AI研修

取りまとめ案が重視するメディアリテラシー、AIの適切な利用、プログラミング的思考を、先生方自身が体験して説明できる状態にします。1回2時間から、校内研修・園内研修にも対応します。

新学習指導要領に沿ったカリキュラムの整理

現行の情報Ⅰ・技術分野の指導計画を、一次資料の「話し言葉」に翻訳しながら次期案と並べ、どこを先に変え、どこは待つかを一緒に決めます。丸投げではなく、先生方が自分で更新できる形にします。

教材づくりと校務の効率化

まなびAIのような学習指導要領準拠の教材生成、採点補助、保護者向け文書の下書きなど、授業準備と事務の時間を生成AIで短くします。まず無料枠で試し、業務化は月数千円のAIから。同意なく課金しません。

塾・教室・学校向けの支援内容を見る →

かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)が運営しています。初回相談は無料です。川崎市を拠点に、神奈川県・東京都内へ出張、オンラインも対応します。

関連記事:次期学習指導要領(2030年度から)に向けて、塾・教室・学校がいま準備できること

WHAT TO DO NOW

いま学んでいる人・教えている人は、何を押さえればよいか

保護者・小中学生

小学校の「情報の領域」は最短で2028年度から先行実施が検討されており、他教科より早く動く可能性があります。ただし内容は国の動画教材とセットで整備される予定なので、家庭で先取りする必要はありません。生成AIの使い方については改訂を待たずにガイドラインで示すとされています。

塾・教室の先生

各教科からタイピング・データ分析・プログラミングを新教科へ寄せる方向です。教科の指導では「情報の扱いは別で学んでいる前提」になっていくため、いまのうちに教科固有の内容と情報スキルを分けて教材を整理しておくと移行が楽になります。

高校生

いま在学中の人は現行の情報Ⅰのまま卒業し、共通テストの情報Ⅰも現行の範囲です。新しい5項目構成は2032年度以降の入学生からです。データ分析とAIが文理を問わず重視される方向は、進路選択の参考になります。

現行の範囲で「情報」の教材をつくる

テーマや困っていることを入力すると、現行の情報Ⅰを参照した仕組みの説明や確認問題を作れます。

教材をつくる →