この単元のつまずきポイント
「保存則」と「仕事とエネルギーの関係」を場面で使い分けられず、摩擦のある斜面でも保存則を使ってしまうミスが頻発します。非保存力の有無で式を選ぶ判断基準が身についていないのが原因です。
このテーマで実際に生成した教材
下の枠内が、まなびAIがこのテーマで実際に生成した教材です。読み解きにくい学習指導要領は、デジタル庁が推進する国産AI「源内」の一部である法令検索AI「Lawsy」の技術で検索・参照し、約30秒で出力されました。
まず、力学的エネルギー保存則について復習しましょう。
力学的エネルギーとは、運動エネルギーと位置エネルギーの和のことです。
$$E = K + U = \frac{1}{2}mv^2 + mgh$$
力学的エネルギー保存則は、「物体に保存力以外の力が仕事をしないとき、力学的エネルギーは一定に保たれる」という法則です。
力学的エネルギー保存則が使える場面
力学的エネルギー保存則が成り立つのは、物体に保存力だけが仕事をする場合です。
保存力には、重力や弾性力(ばねの力)などがあります。これらの力は、経路によらず仕事が定まり、仕事をしても力学的エネルギーが減ったり増えたりすることはありません。
具体例:
- なめらかな斜面を滑り落ちる物体(重力のみが仕事をする)
- ばねにつながれた物体が、なめらかな水平面上を振動する(弾性力のみが仕事をする)
- 空気抵抗を無視できる自由落下や放物運動(重力のみが仕事をする)
力学的エネルギー保存則が使えない場面
力学的エネルギー保存則が成り立たないのは、物体に非保存力や外力が仕事をする場合です。
非保存力には、摩擦力や空気抵抗などがあります。これらの力は、仕事をすると力学的エネルギーが熱エネルギーなどに変換され、力学的エネルギーが減少します。
また、人が押す力や引っ張る力のような外力が仕事をすると、力学的エネルギーが増加したり減少したりします。
具体例:
- 摩擦のある水平面を滑る物体(摩擦力が負の仕事をするため、力学的エネルギーが減少する)
- 空気抵抗を受けながら落下する物体(空気抵抗が負の仕事をするため、力学的エネルギーが減少する)
- 人が物体を持ち上げる、または押す(人が正の仕事をするため、力学的エネルギーが増加する)
- 人が物体を止める(人が負の仕事をするため、力学的エネルギーが減少する)
つまり、力学的エネルギー保存則が使えるかどうかを見分けるポイントは、重力や弾性力以外の力が物体に仕事をしないか、ということです。
それでは、理解度を確認するためのクイズに挑戦してみましょう。
問題1
次の現象のうち、力学的エネルギー保存則が成り立つと考えられるものはどれですか。ただし、空気抵抗は無視できるものとします。
- 人が投げ上げたボールが最高点に達し、再び手元に戻ってくるまでの運動
- 摩擦のある斜面を物体が滑り降りる運動
- ばねにつながれた物体が、粗い床の上で振動しながら静止する運動
- エレベーターがモーターの力で上昇する運動
正解: 1
解説:
- ボールの運動では、重力のみが仕事をするため、力学的エネルギーは保存されます。空気抵抗は無視できるとされているため、非保存力は考慮不要です。
- 摩擦のある斜面では、摩擦力が物体に負の仕事をします。摩擦力は非保存力なので、力学的エネルギーは保存されません。
- 粗い床の上では、摩擦力が物体に負の仕事をします。摩擦力は非保存力なので、力学的エネルギーは保存されません。最終的に静止するのは、力学的エネルギーが失われたためです。
- エレベーターがモーターの力で上昇する場合、モーターがエレベーターに正の仕事をします。モーターの力は外力であり、力学的エネルギーを増加させるため、保存則は成り立ちません。
問題2
図のように、なめらかな曲面をもつ台の点Aから小球を静かに放したとき、小球が点Bを通過する速さ $v_B$ を求めたい。このとき、力学的エネルギー保存則を用いることができる理由として最も適切なものはどれですか。
- 小球は常に重力を受けているから。
- 小球に働く垂直抗力は小球の運動方向に対して常に垂直だから。
- 小球に空気抵抗が作用しないから。
- 小球の運動エネルギーと位置エネルギーの和が一定だから。
正解: 2
解説:
力学的エネルギー保存則が成り立つのは、「保存力以外の力が仕事をしない」場合です。
この問題の状況では、小球には重力と垂直抗力が働いています。
- 重力:保存力なので、重力が仕事をしても力学的エネルギーは保存されます。
- 垂直抗力:垂直抗力は常に運動方向(変位の方向)に垂直に働くため、垂直抗力は仕事をしません。仕事 $W = F \Delta x \cos\theta$ の $\cos 90^\circ = 0$ となるためです。
したがって、この運動では重力以外の力(垂直抗力)が仕事をしないため、力学的エネルギー保存則を用いることができます。
選択肢の誤りについて:
- 重力は保存力なので、重力が仕事をすることは力学的エネルギー保存則が使える条件を満たします。しかし、保存則が使える理由としては「重力以外の力が仕事をしない」ことがより本質的です。
- 「空気抵抗が作用しないから」は、非保存力が仕事をしないという条件の一部ではありますが、垂直抗力も考慮する必要があります。
- 「小球の運動エネルギーと位置エネルギーの和が一定だから」は、力学的エネルギー保存則が「成り立つ結果」であり、「使える理由」ではありません。
問題3
ある物体が水平面上で運動している。この物体に働く力のうち、力学的エネルギーを減少させる可能性のあるものはどれですか。すべて選びなさい。
- 重力
- 垂直抗力
- 摩擦力
- ばねの弾性力
- 空気抵抗
正解: 3, 5
解説:
力学的エネルギーを減少させるのは、物体に対して負の仕事をする非保存力です。
- 重力: 保存力であり、水平面上の運動では重力方向への変位がないため仕事をしません(あるいは、仕事をしても力学的エネルギーは保存されます)。
- 垂直抗力: 常に運動方向(変位の方向)に垂直に働くため、仕事をしません。
- 摩擦力: 非保存力であり、運動方向と逆向きに働くため、常に負の仕事をします。これにより力学的エネルギーは減少します。
- ばねの弾性力: 保存力であり、仕事をしても力学的エネルギーは保存されます。
- 空気抵抗: 非保存力であり、運動方向と逆向きに働くため、常に負の仕事をします。これにより力学的エネルギーは減少します。
したがって、力学的エネルギーを減少させる可能性のある力は、摩擦力と空気抵抗です。
編集・参照情報
- 編集・運営: かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
- 作成方法: 学習指導要領データを検索し、AI生成教材を編集して掲載
- 参照範囲: 第5節 理 科 > 第2 物理基礎 > 2 内 容 > (1) 物体の運動とエネルギー > ア 物体の運動とエネルギーを日常生活や社会と関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。 > (ウ) 力学的エネルギー > ㋑ 力学的エネルギーの保存
- 公開日: 2026年7月19日
この教材の使い方
塾講師の方へ。この教材は「保存則が使えるかどうかの見分け方」を身につけさせる目的で活用してください。生徒に問題文を読ませる際、まず「なめらか」「摩擦がある」「空気抵抗を無視」といったキーワードを丸で囲ませる習慣をつけると、条件判断のスピードが上がります。
保護者の方は、お子さんに具体例の3パターン(斜面・ばね・自由落下)を口頭で説明してもらってください。式を暗記するのではなく「なぜ保存則が成り立つのか」を自分の言葉で言えるかが理解度の目安です。詰まった場合は本文の保存力・非保存力の説明に戻らせましょう。
生徒本人には、本文の条件と式の対応関係をノートにまとめ、「保存則OK/NG」の判定表を作って机の前に貼ることをおすすめします。摩擦や外力が絡む問題では保存則が使えない、という原則を視覚化しておくと、試験本番での判断ミスを減らせます。
よくある質問
この単元は高校2年の学習指導要領のどのあたりに位置づけられますか?
力学的エネルギー保存則は「物理基礎」から「物理」につながる力学分野の要となる考え方です。学校ごとに履修時期が異なる場合がありますので、詳しい進度は学校の先生にご確認ください。
子どもが「いつ保存則を使えるのか」で毎回迷ってしまいます。どこを見ればよいですか?
教材にある通り、重力や弾性力以外の力(摩擦力・空気抵抗・人の押す力など)が仕事をしているかを確認するのがポイントです。問題文の「なめらか」「摩擦がある」といった表現に注目させてみてください。
家庭で復習させるとき、公式暗記と例題演習のどちらを優先させるべきでしょうか?
まずは運動エネルギーと位置エネルギーの式を確認したうえで、教材の具体例で「保存則が使えるか使えないか」を判断する練習をおすすめします。学習の重点はご家庭の判断で調整なさってください。