この単元のつまずきポイント

三角比から三角関数に進む段階で、多くの生徒が単位円のイメージで混乱します。先に単位円を絵で押さえてから式に戻ると一気に楽になります。

このテーマで実際に生成した教材

下の枠内が、まなびAIがこのテーマで実際に生成した教材です。読み解きにくい学習指導要領は、デジタル庁が推進する国産AI「源内」の一部である法令検索AI「Lawsy」の技術で検索・参照し、約30秒で出力されました。

はじめに

高校数学における三角関数は、物理学や工学など様々な分野で応用される重要な概念です。「数学I」では鋭角($0^\circ < \theta < 90^\circ$)の「三角比」として学びましたが、「数学II」ではその範囲を一般の角に拡張し、「三角関数」として学びます。ここでは、三角関数の基本的な定義、そしてそれらの間に成り立つ「相互関係」について、単位円を用いて基礎から丁寧に解説していきます。

1. 単位円を使った三角関数の定義

「三角関数」を考える上で最も重要なツールが「単位円」です。単位円とは、原点を中心とする半径1の円のことです。

1-1. 角の定義

  1. 座標平面上で、原点Oを中心とし、半径が1の円を考えます。これを単位円といいます。
  2. $x$軸の正の部分を始線とします。
  3. 始線から反時計回りに測った角を正の角、時計回りに測った角を負の角とします。
  4. 角$\theta$の動径と単位円との交点をP$(x, y)$とします。

1-2. $\sin\theta, \cos\theta, \tan\theta$の定義

単位円上の点P$(x, y)$を用いると、角$\theta$に対する三角関数は次のように定義されます。

  • サイン(sine): $\sin\theta = y$座標
  • コサイン(cosine): $\cos\theta = x$座標
  • タンジェント(tangent): $\tan\theta = \frac{y}{x}$(ただし、$x \neq 0$)

ポイント: $\sin\theta$はPの$y$座標、$\cos\theta$はPの$x$座標として定義されるため、その値の範囲は$-1 \\le \sin\theta \\le 1$、$-1 \\le \cos\theta \\le 1$となります。$\tan\theta$は$x=0$(つまり$\theta = 90^\circ + 180^\circ n$ ($n$は整数))のときに定義されません。

1-3. 各象限での符号

単位円の定義から、各象限における$\sin\theta, \cos\theta, \tan\theta$の符号は以下のようになります。

象限角の範囲$x$座標 ($\cos\theta$)$y$座標 ($\sin\theta$)$\frac{y}{x}$ ($\tan\theta$)
第1象限$0^\circ < \theta < 90^\circ$$+$$+$$+$
第2象限$90^\circ < \theta < 180^\circ$$-$$+$$-$
第3象限$180^\circ < \theta < 270^\circ$$-$$-$$+$
第4象限$270^\circ < \theta < 360^\circ$$+$$-$$-$

2. 三角関数の相互関係

$\sin\theta, \cos\theta, \tan\theta$の間には、常に成り立つ3つの重要な関係式があります。これらを三角関数の相互関係と呼びます。

2-1. $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$

単位円上の点P$(x, y)$において、原点Oから点Pまでの距離は半径なので1です。三平方の定理(ピタゴラスの定理)より、$x^2 + y^2 = 1^2$ が成り立ちます。

ここで、$x = \cos\theta$、$y = \sin\theta$ を代入すると、

$$ (\cos\theta)^2 + (\sin\theta)^2 = 1 $$

となります。$(\cos\theta)^2$ は通常 $\cos^2\theta$ と書くため、

$$ \sin^2\theta + \cos^2\theta = 1 $$

が得られます。

ポイント: この式は、単位円上のどんな点P$(x, y)$でも、$x^2+y^2=1$が成り立つことから導かれる、最も基本的な関係式です。

2-2. $\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}$

$\tan\theta$の定義は $\frac{y}{x}$ でした。これに $y = \sin\theta$、$x = \cos\theta$ を代入すると、

$$ \tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta} $$

が得られます。この関係は、$\cos\theta \neq 0$ のときに常に成り立ちます。

ポイント: $\tan\theta$が傾きを表すことと関連付けて考えると理解しやすいでしょう。傾きは「縦の変化量 $\div$ 横の変化量」なので、$\sin\theta$($y$座標の変化)と$\cos\theta$($x$座標の変化)の比で表されます。

2-3. $1 + \tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta}$

この関係式は、1つ目の相互関係 $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ の両辺を $\cos^2\theta$ で割ることで導出できます(ただし、$\cos\theta \neq 0$)。

$$ \frac{\sin^2\theta}{\cos^2\theta} + \frac{\cos^2\theta}{\cos^2\theta} = \frac{1}{\cos^2\theta} $$

$$ \left(\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\right)^2 + 1 = \frac{1}{\cos^2\theta} $$

2つ目の相互関係 $\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}$ を代入すると、

$$ \tan^2\theta + 1 = \frac{1}{\cos^2\theta} $$

すなわち、

$$ 1 + \tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta} $$

が得られます。

ポイント: この式は、$\tan\theta$の値が分かっているときに、$\cos\theta$の値を求めるのに便利です。

3. 具体例で理解を深める

例1: 単位円を使って三角関数の値を求める

$\theta = 210^\circ$ のときの $\sin 210^\circ, \cos 210^\circ, \tan 210^\circ$ の値を求めましょう。

考え方: 単位円を描き、$210^\circ$ の動径と単位円の交点Pの座標を読み取ります。

  1. $210^\circ$ は、$180^\circ$ からさらに $30^\circ$ 進んだ角です。つまり、第3象限にあります。
  2. $x$軸とのなす角は $210^\circ - 180^\circ = 30^\circ$ です。
  3. 原点O、点P、そして$(-x, 0)$を結んでできる直角三角形は、$30^\circ, 60^\circ, 90^\circ$ の直角三角形となり、辺の比は $1:\sqrt{3}:2$ です。単位円の半径が1なので、斜辺は1です。したがって、この直角三角形の直角を挟む2辺の長さは $\frac{1}{2}$ と $\frac{\sqrt{3}}{2}$ となります。
  4. 点Pは第3象限にあるので、$x$座標も$y$座標も負になります。

* $x$座標: $-\frac{\sqrt{3}}{2}$

* $y$座標: $-\frac{1}{2}$

よって、

$$ \sin 210^\circ = -\frac{1}{2} $$

$$ \cos 210^\circ = -\frac{\sqrt{3}}{2} $$

$$ \tan 210^\circ = \frac{\sin 210^\circ}{\cos 210^\circ} = \frac{-\frac{1}{2}}{-\frac{\sqrt{3}}{2}} = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3} $$

例2: 相互関係を使って他の値を求める

$\sin\theta = -\frac{3}{5}$ で、$\theta$ が第3象限の角であるとき、$\cos\theta$ と $\tan\theta$ の値を求めましょう。

考え方: 相互関係の公式と、$\theta$ が第3象限であるという情報(符号)を使います。

  1. まず、$\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ の式に $\sin\theta = -\frac{3}{5}$ を代入します。

$$ \left(-\frac{3}{5}\right)^2 + \cos^2\theta = 1 $$

$$ \frac{9}{25} + \cos^2\theta = 1 $$

$$ \cos^2\theta = 1 - \frac{9}{25} = \frac{16}{25} $$

$$ \cos\theta = \pm\sqrt{\frac{16}{25}} = \pm\frac{4}{5} $$

  1. $\theta$ は第3象限の角なので、$\cos\theta$ は負の値になります。

よって、$\cos\theta = -\frac{4}{5}$。

  1. 次に、$\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}$ の式に求めた値を代入します。

$$ \tan\theta = \frac{-\frac{3}{5}}{-\frac{4}{5}} = \frac{3}{4} $$

したがって、$\cos\theta = -\frac{4}{5}$、$\tan\theta = \frac{3}{4}$ です。

例3: 相互関係を使った式の変形

次の式を簡単にしましょう。

$$ (\sin\theta + \cos\theta)^2 + (\sin\theta - \cos\theta)^2 $$

考え方: 展開して、相互関係の公式 $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ を利用します。

  1. それぞれのカッコを展開します。

* $(\sin\theta + \cos\theta)^2 = \sin^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta$

* $(\sin\theta - \cos\theta)^2 = \sin^2\theta - 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta$

  1. これらを元の式に代入して足し合わせます。

$$ (\sin^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta) + (\sin^2\theta - 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta) $$

  1. 同類項をまとめます。

$$ \sin^2\theta + \cos^2\theta + \sin^2\theta + \cos^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta - 2\sin\theta\cos\theta $$

$$ = 2\sin^2\theta + 2\cos^2\theta $$

  1. $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ を利用します。

$$ = 2(\sin^2\theta + \cos^2\theta) $$

$$ = 2(1) $$

$$ = 2 $$

したがって、与えられた式は $2$ となります。

4. 学習のポイント

  • 単位円を常にイメージする: 単位円は三角関数の定義、符号、値の範囲を理解するための基本です。具体的な角の値を求めるときも、単位円を描いて考える習慣をつけましょう。
  • 相互関係の公式は覚えるだけでなく、導出も理解する: 丸暗記ではなく、なぜその式が成り立つのか(特に$\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$が三平方の定理から導かれること)を理解することで、忘れにくくなります。また、公式を忘れても自分で導き出すことができます。
  • 角の範囲(象限)と符号に注意する: $\sin\theta, \cos\theta, \tan\theta$ の値は、同じ絶対値でも角の象限によって符号が変わります。問題を解く際には、常に角がどの象限にあるかを確認し、符号ミスをしないように注意しましょう。

これらの基礎をしっかりと身につけることで、三角関数のより発展的な内容(加法定理、グラフなど)もスムーズに学習できるようになります。

形式: 解説 参照: 第1章 総   則 > 第4節 数   学 > 第2 数学Ⅱ > 2 内 容 > (4) 三角関数

編集・参照情報

  • 編集・運営: かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
  • 作成方法: 学習指導要領データを検索し、AI生成教材を編集して掲載
  • 参照範囲: 第1章 総   則 > 第4節 数   学 > 第2 数学Ⅱ > 2 内 容 > (4) 三角関数
  • 公開日: 2026年5月27日

この教材の使い方

本教材は、三角関数を「単位円のy座標・x座標」として理解し直したい高校2年生本人を主な対象としています。鋭角の三角比までは解けても角度が90度を超えると混乱する、という生徒は多いため、まずは単位円の図を手元に書きながら定義部分を音読し、点Pの座標がそのままsinθ・cosθになる感覚をつかんでください。

塾講師の方は、導入の20分でこの教材を使い、生徒に「sin120°のyはどこ?」と座標を指差しさせる形で確認すると定着が早まります。タンジェントについては傾きy/xという見方を補足し、x=0で定義できない理由を単位円上で示すと、後の弧度法や三角関数のグラフ学習にスムーズにつながります。

保護者の方は、お子さまが値の範囲(-1≤sinθ≤1など)を覚えるのではなく「円の中だから当然そうなる」と説明できるかを聞いてみてください。理由を言葉にできれば理解が定着している証拠です。数式の暗記ではなく図で語れる状態を目指す、という点だけ意識いただければ十分です。

同じテーマで、お子さま専用の教材を作れます

このページの教材は一例です。質問を変えれば、つまずいているポイントに合わせた教材が生成できます。

この続きをまなびAIで作る

よくある質問

「数学I」の三角比と「数学II」の三角関数は何が違うのですか?

数学Iでは鋭角(0°〜90°)の三角比として扱いますが、数学IIでは単位円を使って一般の角へと範囲を拡張したものが三角関数です。同じものを発展させた内容とお考えください。

子どもが単位円のイメージでつまずいています。家庭ではどう支えればよいですか?

単位円は半径1の円で、円上の点Pのy座標がsinθ、x座標がcosθと定義されます。紙に円と座標軸を書いて手を動かすのが基本です。具体的な進め方はご家庭の判断で取り入れてみてください。

tanθが「定義されない」と出てきて混乱しています。どう説明すればいいですか?

tanθはy/xで定義されるため、x=0となる角度(90°など)では値が決まりません。分母が0になる点だけ避ける、と伝えるとよいですが、詳しい扱いは学校の先生にご確認ください。