この単元のつまずきポイント

陽極と陰極のどちらに何が出るかを「陽イオンは陰極へ動く」というルールから導けず、丸暗記して逆に書いてしまうケースが多いです。

このテーマで実際に生成した教材

下の枠内が、まなびAIがこのテーマで実際に生成した教材です。読み解きにくい学習指導要領は、デジタル庁が推進する国産AI「源内」の一部である法令検索AI「Lawsy」の技術で検索・参照し、約30秒で出力されました。

電気分解は、外部から電気エネルギーを与えることで、物質を化学的に分解する現象です。私たちの身の回りでは、金属の精錬やめっきなど、様々な場所で利用されています。ここでは、中学理科で特に重要な「塩化銅水溶液の電気分解」について、入試レベルの応用問題を通して深く理解しましょう。


問題

次の図のように、塩化銅水溶液に炭素棒を電極として入れ、電源装置につないで電流を流しました。

(図のイメージ:ビーカーに塩化銅水溶液、2本の炭素棒が溶液中に挿入され、電源装置に接続されている。片方が陽極、もう片方が陰極と示されている。)

問1 図の装置で電流を流し続けると、陽極と陰極ではそれぞれどのような現象が観察されますか。具体的に記述しなさい。

問2 陽極と陰極でそれぞれ起こる化学変化を、イオンの記号と電子の記号($e^-$)を用いて化学反応式で表しなさい。

問3 塩化銅水溶液の電気分解全体を表す化学反応式を記述しなさい。

問4 この電気分解において、外部から電流を流すことで、エネルギーはどのように変換されていますか。「〇〇エネルギーが△△エネルギーに変換される」の形式で答えなさい。

問5 もし、塩化銅水溶液の代わりに塩化ナトリウム水溶液を電気分解した場合、陽極と陰極ではそれぞれどのような物質が生成されますか。また、その理由を塩化銅水溶液の場合と比較して説明しなさい。ただし、電極は炭素棒を使用するものとします。


解答と解説

問1 解答

  • 陽極: 気体が発生する。発生する気体は刺激臭があり、色は黄緑色である。
  • 陰極: 赤色の固体が付着する。

問1 解説

塩化銅水溶液 ($CuCl_2$ aq) には、銅イオン ($Cu^{2+}$) と塩化物イオン ($Cl^-$) が溶けています。

電流を流すと、陽イオンである銅イオン ($Cu^{2+}$) は陰極へ、陰イオンである塩化物イオン ($Cl^-$) は陽極へと移動します。

  • 陽極(+極): 陰イオンである塩化物イオン ($Cl^-$) が引き寄せられ、電子を失って塩素分子 ($Cl_2$) になります。塩素は黄緑色の刺激臭のある気体です。

$2Cl^- \rightarrow Cl_2 + 2e^-$

  • 陰極(-極): 陽イオンである銅イオン ($Cu^{2+}$) が引き寄せられ、電子を受け取って銅原子 ($Cu$) になります。銅は赤色の固体です。

$Cu^{2+} + 2e^- \rightarrow Cu$

問1 採点ポイント

  • 陽極で「気体が発生する」こと、陰極で「固体が付着する」ことを正しく記述しているか。
  • それぞれの生成物の特徴(色、臭い)を具体的に記述しているか。

問2 解答

  • 陽極: $2Cl^- \rightarrow Cl_2 + 2e^-$
  • 陰極: $Cu^{2+} + 2e^- \rightarrow Cu$

問2 解説

電気分解では、電極で電子の授受が起こり、化学変化が進みます。

  • 陽極(酸化反応): 陰イオンが電子を失う反応です。塩化物イオン ($Cl^-$) は電子を放出し、塩素原子となり、それが結合して塩素分子 ($Cl_2$) となります。

$2Cl^- \rightarrow Cl_2 + 2e^-$

  • 陰極(還元反応): 陽イオンが電子を受け取る反応です。銅イオン ($Cu^{2+}$) は電子を受け取り、銅原子 ($Cu$) になります。

$Cu^{2+} + 2e^- \rightarrow Cu$

問2 採点ポイント

  • それぞれの電極で起こる反応式が正確に記述されているか。
  • イオンの記号、電子の記号 ($e^-$)、化学式、係数が正しいか。

問3 解答

$CuCl_2 \rightarrow Cu + Cl_2$

問3 解説

電気分解全体の反応式は、陽極と陰極で起こる反応式を合計することで得られます。

陽極の反応: $2Cl^- \rightarrow Cl_2 + 2e^-$

陰極の反応: $Cu^{2+} + 2e^- \rightarrow Cu$

これらの反応式から電子 ($2e^-$) を消去すると、

$Cu^{2+} + 2Cl^- \rightarrow Cu + Cl_2$

となります。

水溶液中では、銅イオン ($Cu^{2+}$) と塩化物イオン ($Cl^-$) は塩化銅 ($CuCl_2$) として存在していたため、全体としては塩化銅が銅と塩素に分解されたことになります。

問3 採点ポイント

  • 反応物と生成物が正しく記述されているか。
  • 化学式と係数が正しいか。

問4 解答

電気エネルギーが化学エネルギーに変換される。

問4 解説

  • 電気分解: 外部から電気エネルギーを供給することで、物質を分解したり、新たな物質を生成したりする化学変化です。このとき、電気エネルギーは物質の化学結合を変化させるためのエネルギー、すなわち化学エネルギーへと変換されます。
  • 電池: 逆に、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。

問4 採点ポイント

  • エネルギー変換の方向性(電気エネルギー → 化学エネルギー)が正しく記述されているか。

問5 解答

  • 陽極: 塩素 ($Cl_2$) が生成される。
  • 陰極: 水素 ($H_2$) が生成される。

理由:

塩化ナトリウム水溶液 ($NaCl$ aq) には、ナトリウムイオン ($Na^+$) と塩化物イオン ($Cl^-$)、そして水 ($H_2O$) が電離して生じるごく少量の水素イオン ($H^+$) と水酸化物イオン ($OH^-$) が存在します。

  • 陽極: 塩化物イオン ($Cl^-$) と水酸化物イオン ($OH^-$) が引き寄せられますが、塩化物イオンの方が電子を放出しやすいため、塩素ガスが発生します。この点は塩化銅水溶液の場合と同じです。

$2Cl^- \rightarrow Cl_2 + 2e^-$

  • 陰極: ナトリウムイオン ($Na^+$) と水素イオン ($H^+$) が引き寄せられます。しかし、ナトリウムイオンは水素イオンよりも電子を受け取って金属になるのが難しいため、水分子が電子を受け取って水素ガスを発生させます。

$2H_2O + 2e^- \rightarrow H_2 + 2OH^-$

(または、$2H^+ + 2e^- \rightarrow H_2$ と考えてもよいが、実際は水が反応する)

塩化銅水溶液の場合、銅イオン ($Cu^{2+}$) は水素イオンよりも電子を受け取りやすいため、陰極では銅が生成されます。しかし、塩化ナトリウム水溶液の場合、ナトリウムイオン ($Na^+$) は水素イオンよりも電子を受け取りにくいため、水が分解されて水素が発生するという違いがあります。

問5 採点ポイント

  • 塩化ナトリウム水溶液の電気分解における陽極と陰極の生成物を正しく記述しているか。
  • それぞれの電極で、水溶液中に存在する複数のイオン(または水分子)の中から、どちらが優先的に反応するかを正しく説明しているか。
  • 金属のイオン化傾向(または電子の受け取りやすさ)の違いに触れているか。

関連単元へのつながり

今回の塩化銅水溶液の電気分解は、以下のような中学理科の重要な単元と深く関連しています。

  1. イオン: 物質が水に溶けてイオンになること、陽イオンと陰イオンの区別、イオンの化学式。
  2. 化学変化と原子・分子: 元素記号、化学式、化学反応式、物質の生成・分解。
  3. 電流とエネルギー: 電流が電子の流れであること、電気エネルギーの利用、エネルギー変換。
  4. 酸化と還元: 電子が失われる反応(酸化)と、電子を受け取る反応(還元)の具体的な例。

電気分解の知識は、乾電池や燃料電池といった「電池(化学エネルギーを電気エネルギーに変換)」の学習にもつながります。電気分解と電池は、エネルギー変換の方向が逆であるだけで、電子の移動と化学変化という点では共通の原理に基づいています。これらの現象を総合的に理解することで、化学変化と電気の関係性についてより深い洞察が得られるでしょう。

形式: 入試対策 参照: 第4節 理科 > 〔第1分野〕 > (6) 化学変化とイオン > ア 化学変化をイオンのモデルと関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。 > (ア) 水溶液とイオン > ㋐ 原子の成り立ちとイオン

編集・参照情報

  • 編集・運営: かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
  • 作成方法: 学習指導要領データを検索し、AI生成教材を編集して掲載
  • 参照範囲: 第4節 理科 > 〔第1分野〕 > (6) 化学変化とイオン > ア 化学変化をイオンのモデルと関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。 > (ア) 水溶液とイオン > ㋐ 原子の成り立ちとイオン
  • 公開日: 2026年6月29日

この教材の使い方

この教材は、塩化銅水溶液の電気分解を「現象の暗記」ではなく「イオンの動きから説明できる状態」にするための問題集です。保護者の方は、お子さんに陽極と陰極で何が出てきたかを口頭で答えてもらい、その理由をイオンの言葉でつなげられるかを確認してください。式が書けても説明できない場合は、理解が浅いサインです。

塾講師の方は、問2に入る前に「プラスのイオンはどっちに引かれる?」と発問し、理由から答えさせてください。電極名と電荷の関係を生徒自身の言葉で言わせると、陽極=塩素、陰極=銅の対応が一気に定着し、問3以降の反応式も自力で組み立てられるようになります。

生徒本人が一人で取り組む場合は、問1から順に解いたあと、必ず問5まで進んでください。塩化ナトリウム水溶液との比較を通して「なぜ銅が出るのか」を裏返しに考えることで、電気分解の本質をつかむ仕上げになります。

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よくある質問

塩化銅水溶液の電気分解は、中学のどの単元で学びますか?

中学3年理科の「化学変化とイオン」の単元で扱われる内容です。イオンの動きと電極での反応を結びつけて理解することがポイントとなります。詳しい進度は学校の先生にご確認ください。

子どもが陽極と陰極で何が起こるか覚えられません。どこでつまずきやすいですか?

陽イオンと陰イオンがどちらの極に引き寄せられるかが混乱しやすい点です。「陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ」と動きをセットで覚えると整理しやすくなります。

家庭学習ではどのように進めるとよいですか?

まず陽極・陰極での観察結果を言葉で説明させ、その後にイオン式や化学反応式に落とし込む順番がおすすめです。実験動画の活用はご家庭の判断で取り入れてみてください。