この単元のつまずきポイント
導関数を0にした点だけを調べて答えにしてしまう。定義域の端点や、そもそも変数の取り得る範囲の設定を飛ばすため、極値と最大値を混同したままになる。
高校3年数学の要点:先に答えを3行で
- 変数を置いて求めたい量を関数で表し、定義域を決め、微分して増減を調べ、問いに答える手順で立てます。
- 極値がそのまま最大・最小になるとは限りません。定義域の端点での値も必ず比べて判断します。
- 円柱の体積の例題で、半径と高さの和の条件から定義域が0<r<6になる理由を説明させると理解を確かめられます。
微分で最大最小を求める文章題の解き方|変数設定と定義域・増減表の教材
下の枠内が、まなびAIがこのテーマで実際に生成した教材です。読み解きにくい学習指導要領は、デジタル庁が推進する国産AI「源内」の一部である法令検索AI「Lawsy」の技術で検索・参照し、約30秒で出力されました。
1. 微分法を用いた最大・最小問題とは?
日常生活や科学技術の分野では、「最も効率の良い方法」「最小のコストで最大の効果を得る」といった最適化の問題が頻繁に登場します。例えば、
- 材料費を最小にする容器の形
- 最も早く目的地に着く経路
- 最大の利益を生む生産量
このような問題を数学的に解決する強力なツールが、微分法です。関数の増減を調べることで、最大値や最小値を求めることができます。
2. 解法のステップ
微分法を用いて最大・最小問題を解くには、以下のステップで進めます。
ステップ1: 変数を設定し、求めたい量を関数で表す
- 問題文をよく読み、変化する量の中から、最大・最小を求めたい量と、それを決定する変数(文字)を見つけます。
- 求めたい量を $y$ とし、決定する変数を $x$ などと置いて、 $y$ を $x$ の関数 $y = f(x)$ として表します。
- 図形の問題では、図を描いて関係性を視覚化すると良いでしょう。
ステップ2: 変数の定義域を特定する
- 設定した変数 $x$ が取りうる値の範囲(定義域)を明確にします。
- 長さや面積、体積など、負の値を取らない量には $x > 0$ といった条件がつくことが多いです。
- 問題文に隠された条件を見落とさないように注意しましょう。
ステップ3: 関数を微分し、導関数を求める
- ステップ1で設定した関数 $y = f(x)$ を $x$ について微分し、$f'(x)$ を求めます。
- 積の微分、商の微分、合成関数の微分など、適切な微分公式を適用します。
ステップ4: 導関数が0となる点を求め、増減の様子を調べる
- $f'(x) = 0$ となる $x$ の値を求めます。これらの値は、関数が極値をとる可能性のある点です。
- 求めた $x$ の値と定義域の端点を含めて、$f'(x)$ の符号がどのように変化するかを調べ、$f(x)$ の増減の様子を把握します。
ステップ5: 増減の様子と定義域の端点から最大値・最小値を判断する
- ステップ4で把握した関数の増減の様子と、定義域の端点での関数の値を比較し、最大値または最小値を判断します。
- 極値が最大値・最小値になるとは限りません。定義域の端点での値も考慮に入れる必要があります。
ステップ6: 問題の問いに答える
- 求めた最大値や最小値が、問題で問われている量と一致しているか確認し、単位などがあれば付けて解答します。
3. 例題と解説
問1
底面の半径と高さの和が $6 \text{ cm}$ である円柱の体積を最大にするには、底面の半径を何 $\text{cm}$ にすればよいか。また、そのときの体積を求めなさい。
答え:
底面の半径を $r \text{ cm}$、高さを $h \text{ cm}$、体積を $V \text{ cm}^3$ とする。
条件より $r + h = 6$ なので、$h = 6 - r$。
体積 $V$ は $V = \pi r^2 h = \pi r^2 (6 - r) = 6\pi r^2 - \pi r^3$ と表せる。
ここで、$r > 0$ かつ $h > 0$ より $6 - r > 0 \Rightarrow r < 6$。
よって、定義域は $0 < r < 6$。
$V$ を $r$ で微分すると、
$$ \frac{dV}{dr} = 12\pi r - 3\pi r^2 = 3\pi r (4 - r) $$
$\frac{dV}{dr} = 0$ となるのは $3\pi r (4 - r) = 0$ より $r = 0, 4$。
定義域 $0 < r < 6$ においては $r = 4$。
増減の様子を調べます。
- $0 < r < 4$ のとき、$\frac{dV}{dr} = 3\pi r (4 - r)$ は正となるため、$V$ は増加します。
- $r = 4$ のとき、$\frac{dV}{dr} = 0$ です。
- $4 < r < 6$ のとき、$\frac{dV}{dr} = 3\pi r (4 - r)$ は負となるため、$V$ は減少します。
したがって、$r = 4$ のとき、$V$ は極大値をとる。
このとき、$h = 6 - 4 = 2$。
体積 $V = \pi (4)^2 (2) = 32\pi$。
したがって、底面の半径が $4 \text{ cm}$ のとき体積は最大となり、その体積は $32\pi \text{ cm}^3$ である。
解説:
この問題は、円柱の体積を最大にする条件を求める問題です。
ステップ1: 変数を設定し、求めたい量を関数で表す
- 求めたい量は「体積」です。これを $V$ とします。
- 体積を決定する変数は「底面の半径」と「高さ」です。それぞれ $r, h$ とおきます。
- 問題文の条件「底面の半径と高さの和が $6 \text{ cm}$」から、$r + h = 6$ という関係式が得られます。
- この関係式を使って $h = 6 - r$ とし、$V = \pi r^2 h$ の $h$ を消去することで、$V$ を $r$ の関数として表します。
ステップ2: 変数の定義域を特定する
- 半径 $r$ は長さなので $r > 0$ です。
- 高さ $h$ も長さなので $h > 0$ です。$h = 6 - r > 0$ から $r < 6$ が導かれます。
- これらを合わせて、$0 < r < 6$ が定義域となります。
ステップ3: 関数を微分し、導関数を求める
- $V(r) = 6\pi r^2 - \pi r^3$ を $r$ で微分します。
- $\frac{dV}{dr} = 12\pi r - 3\pi r^2$ となります。
ステップ4: 導関数が0となる点を求め、増減の様子を調べる
- $\frac{dV}{dr} = 0$ となる $r$ の値を求めます。$3\pi r (4 - r) = 0$ から $r = 0$ または $r = 4$ です。
- 定義域 $0 < r < 6$ の範囲では $r = 4$ が候補となります。
- この $r = 4$ の前後で $\frac{dV}{dr}$ の符号がどのように変化するかを調べます。$0 < r < 4$ では $\frac{dV}{dr} > 0$(増加)、$4 < r < 6$ では $\frac{dV}{dr} < 0$(減少)となります。
ステップ5: 増減の様子と定義域の端点から最大値・最小値を判断する
- 増減の様子から、$r = 4$ のときに体積 $V$ が極大値をとることがわかります。
- 定義域の端点 $r \to 0$ および $r \to 6$ のとき、$V \to 0$ となるため、$r = 4$ での極大値が最大値となります。
ステップ6: 問題の問いに答える
- 最大体積となるのは $r = 4 \text{ cm}$ のときで、その体積は $32\pi \text{ cm}^3$ です。
問2
縦 $10 \text{ cm}$、横 $16 \text{ cm}$ の長方形の厚紙の四隅から、同じ大きさの正方形を切り取り、残りを折り曲げてフタのない箱を作る。この箱の容積を最大にするには、切り取る正方形の1辺の長さを何 $\text{cm}$ にすればよいか。また、そのときの容積を求めなさい。
答え:
切り取る正方形の1辺の長さを $x \text{ cm}$ とする。
箱の底面の縦の長さは $10 - 2x \text{ cm}$、横の長さは $16 - 2x \text{ cm}$、高さは $x \text{ cm}$ となる。
箱の容積を $V \text{ cm}^3$ とする。
$V = (10 - 2x)(16 - 2x)x$
$V = (160 - 20x - 32x + 4x^2)x$
$V = (4x^2 - 52x + 160)x$
$V = 4x^3 - 52x^2 + 160x$
ここで、各辺の長さは正である必要があるため、
$x > 0$
$10 - 2x > 0 \Rightarrow 2x < 10 \Rightarrow x < 5$
$16 - 2x > 0 \Rightarrow 2x < 16 \Rightarrow x < 8$
これらの条件をすべて満たす定義域は $0 < x < 5$。
$V$ を $x$ で微分すると、
$$ \frac{dV}{dx} = 12x^2 - 104x + 160 $$
$\frac{dV}{dx} = 0$ となるのは $12x^2 - 104x + 160 = 0$。
両辺を $4$ で割ると $3x^2 - 26x + 40 = 0$。
因数分解すると $(3x - 20)(x - 2) = 0$。
よって $x = \frac{20}{3}$ または $x = 2$。
定義域 $0 < x < 5$ においては $x = 2$。
増減の様子を調べます。
- $0 < x < 2$ のとき、$\frac{dV}{dx} = 4(3x - 20)(x - 2)$ は正となるため、$V$ は増加します。
- $x = 2$ のとき、$\frac{dV}{dx} = 0$ です。
- $2 < x < 5$ のとき、$\frac{dV}{dx} = 4(3x - 20)(x - 2)$ は負となるため、$V$ は減少します。
したがって、$x = 2$ のとき、$V$ は極大値をとる。
このとき、
底面の縦の長さ: $10 - 2(2) = 6 \text{ cm}$
底面の横の長さ: $16 - 2(2) = 12 \text{ cm}$
高さ: $2 \text{ cm}$
容積 $V = 6 \times 12 \times 2 = 144 \text{ cm}^3$。
したがって、切り取る正方形の1辺の長さが $2 \text{ cm}$ のとき容積は最大となり、その容積は $144 \text{ cm}^3$ である。
解説:
この問題は、箱の容積を最大にするための切り取り方を求める問題です。
ステップ1: 変数を設定し、求めたい量を関数で表す
- 求めたい量は「箱の容積」です。これを $V$ とします。
- 容積を決定する変数は「切り取る正方形の1辺の長さ」です。これを $x$ とおきます。
- 箱の底面の縦の長さは $10 - 2x$、横の長さは $16 - 2x$、高さは $x$ となるので、$V = (10 - 2x)(16 - 2x)x$ と表せます。これを展開して整理します。
ステップ2: 変数の定義域を特定する
- 切り取る正方形の1辺の長さ $x$ は $x > 0$ です。
- 箱の底面の縦の長さ $10 - 2x$ も正でなければならないので、$10 - 2x > 0 \Rightarrow x < 5$ です。
- 箱の底面の横の長さ $16 - 2x$ も正でなければならないので、$16 - 2x > 0 \Rightarrow x < 8$ です。
- これらの条件をすべて満たす範囲は $0 < x < 5$ となります。
ステップ3: 関数を微分し、導関数を求める
- $V(x) = 4x^3 - 52x^2 + 160x$ を $x$ で微分します。
- $\frac{dV}{dx} = 12x^2 - 104x + 160$ となります。
ステップ4: 導関数が0となる点を求め、増減の様子を調べる
- $\frac{dV}{dx} = 0$ となる $x$ の値を求めます。$12x^2 - 104x + 160 = 0$ を解くと、$x = 2$ または $x = \frac{20}{3}$ です。
- 定義域 $0 < x < 5$ の範囲では $x = 2$ のみが候補となります。
- この $x = 2$ の前後で $\frac{dV}{dx}$ の符号がどのように変化するかを調べます。$0 < x < 2$ では $\frac{dV}{dx} > 0$(増加)、$2 < x < 5$ では $\frac{dV}{dx} < 0$(減少)となります。
ステップ5: 増減の様子と定義域の端点から最大値・最小値を判断する
- 増減の様子から、$x = 2$ のときに容積 $V$ が極大値をとることがわかります。
- 定義域の端点 $x \to 0$ および $x \to 5$ のとき、$V \to 0$ となるため、$x = 2$ での極大値が最大値となります。
ステップ6: 問題の問いに答える
- 最大容積となるのは切り取る正方形の1辺の長さが $2 \text{ cm}$ のときで、その容積は $144 \text{ cm}^3$ です。
4. 採点ポイント
微分法を用いた最大・最小問題では、以下の点が採点のポイントとなります。
- 変数の設定と関数の立式: 問題文から適切な変数を設定し、求めたい量をその変数の関数として正しく表せているか。
- 定義域の特定: 変数が取りうる値の範囲(定義域)を、問題の条件に基づいて正確に特定できているか。特に、長さや体積などが負にならないという暗黙の条件を見落としていないか。
- 微分計算: 関数の導関数を正しく計算できているか。
- 増減の様子の把握: 導関数が0となる点を求め、その前後での導関数の符号変化を調べ、増減の様子を正確に把握できているか。定義域の端点での値も考慮に入れているか。
- 最大値・最小値の判断: 増減の様子と定義域の端点での値から、最大値または最小値を正しく判断できているか。
- 問題への解答: 最終的に問題で問われている内容(変数の値、最大・最小値など)に、単位を付けて明確に答えているか。
これらのステップを順序立てて記述することで、論理的な思考過程を示すことができます。
5. 関連単元へのつながり
微分法による最大・最小問題は、数学Ⅲの重要な応用分野です。この考え方は、以下のような様々な分野で活用されます。
- 物理: 物体の運動における速度や加速度の最大・最小、エネルギーの最小化など。
- 経済学: 企業の利益最大化、コスト最小化など。
- 工学: 材料の設計、効率的なシステムの構築など。
また、微分法で関数の増減を調べることは、グラフの概形を描く際にも不可欠な知識です。さらに、微分と対をなす積分法では、面積や体積を求める際に微分法の知識が基礎となります。このように、微分法は数学の様々な分野や実社会の問題解決に広く応用される、非常に有用なツールです。
編集・参照情報
- 編集・運営: かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
- 作成方法: 学習指導要領データを検索し、AI生成教材を編集して掲載
- 参照範囲: 第4節 数 学 > 第3 数学Ⅲ > 2 内 容 > (2) 微分法
- 公開日: 2026年10月16日
この教材の使い方
この教材は、微分を使った最大・最小の文章題を「変数設定→定義域→微分→増減表」の4手順に分けて確認するためのものです。塾講師の方は、生徒がどの手順で止まったのかを一緒に特定する材料としてお使いください。
採点では、答えが合っていても定義域を書いていないために減点されるケースが大半です。ステップ2にあたる「$x$ が取りうる範囲」を解答に明記できているか、答え合わせのときに必ず一緒に見てください。
保護者の方は、途中式の正しさまで見る必要はありません。問題文の長さや図から変数を立てる段階でつまずいているのか、計算で詰まっているのかを本人に言葉で説明させるだけでも、次に復習すべき箇所がはっきりします。
よくある質問
高校3年の数学で、微分を使った最大・最小はどんな位置づけの内容ですか?
関数の増減を微分で調べ、最大値・最小値を求める単元です。材料費を最小にする容器の形など、最適化の考え方につながります。履修の時期や扱う範囲は学校ごとに違うため、学校の先生にご確認ください。
公式は覚えているのに文章題だと解けません。どこでつまずいているのでしょうか。
多くの場合、最初の変数設定でつまずいています。求めたい量を $y$、それを決める量を $x$ と置いて $y=f(x)$ の形にする作業です。図を描いて関係を目で見える形にすると、立式しやすくなります。
家庭ではどんな声かけをすればよいですか?
答えの正誤より「$x$ の範囲はどうなる?」と定義域を尋ねてみてください。長さや体積では $x>0$ などの条件が隠れており、ここの確認が最大値・最小値の判断を左右します。進め方はご家庭の判断で調整してください。