この単元のつまずきポイント
公式を丸暗記して符号ミスを連発しがちです。単位円上で角がどの象限にあるかを描かず、関数名と符号の両方を同時に入れ替える必要がある場面で迷い、テスト本番で必ず止まってしまいます。
このテーマで実際に生成した教材
下の枠内が、まなびAIがこのテーマで実際に生成した教材です。読み解きにくい学習指導要領は、デジタル庁が推進する国産AI「源内」の一部である法令検索AI「Lawsy」の技術で検索・参照し、約30秒で出力されました。
皆さんが三角比を学習する中で、「あれ?この角度の三角比はどうやって求めるんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? 例えば、$\sin 120^\circ$ や $\cos 150^\circ$ のような鈍角の三角比を考えるとき、あるいは $90^\circ$ との関係性を持つ角度を扱うときに役立つのが、「余角の公式」と「補角の公式」です。
これらの公式は、一見すると複雑に見えるかもしれませんが、その意味を理解し、いくつかのポイントを押さえれば、暗記しやすくなり、問題を解く上で強力な武器となります。ここでは、それぞれの公式の考え方、そして効果的な覚え方と使い分けについて解説していきます。
1. 余角の公式($90^\circ - \theta$ の三角比)
概念説明
「余角」とは、2つの角度を足すと $90^\circ$ になる関係の角を指します。例えば、$30^\circ$ の余角は $60^\circ$ です($30^\circ + 60^\circ = 90^\circ$)。
直角三角形を考えてみましょう。1つの鋭角を $\theta$ とすると、もう1つの鋭角は $90^\circ - \theta$ となります。このとき、それぞれの角から見た辺の比を考えると、面白い関係性が見えてきます。
例えば、$\sin \theta$ は「斜辺分の対辺」ですが、$90^\circ - \theta$ から見ると、その対辺は $\theta$ から見た隣辺になります。つまり、$\sin \theta$ は $\cos(90^\circ - \theta)$ と等しくなるのです。
公式
$0^\circ < \theta < 90^\circ$ のとき、以下の関係が成り立ちます。
- $\sin(90^\circ - \theta) = \cos \theta$
- $\cos(90^\circ - \theta) = \sin \theta$
- $\tan(90^\circ - \theta) = \frac{1}{\tan \theta}$
例題
$\sin 60^\circ$ の値を、余角の公式を使って求めてみましょう。
解答
$\sin 60^\circ = \sin(90^\circ - 30^\circ)$
余角の公式 $\sin(90^\circ - \theta) = \cos \theta$ を使うと、
$= \cos 30^\circ$
$= \frac{\sqrt{3}}{2}$
解説
この例のように、余角の公式は、角度を $90^\circ$ から引くことで、サインとコサインが入れ替わり、タンジェントは逆数になるという特徴があります。特に、角度が $45^\circ$ を超える場合に、より小さい角度の三角比に変換して考えることができます。
2. 補角の公式($180^\circ - \theta$ の三角比)
概念説明
「補角」とは、2つの角度を足すと $180^\circ$ になる関係の角を指します。例えば、$60^\circ$ の補角は $120^\circ$ です($60^\circ + 120^\circ = 180^\circ$)。
単位円を使って考えてみましょう。原点を中心とする半径1の円を考え、角 $\theta$ の動径と円の交点の座標を $(x, y)$ とします。このとき、$\sin \theta = y$, $\cos \theta = x$, $\tan \theta = \frac{y}{x}$ です。
次に、角 $180^\circ - \theta$ の動径を考えます。この動径と円の交点の座標は $(-x, y)$ となります。なぜなら、これは $y$軸に関して対称な位置にあるからです。
このことから、$180^\circ - \theta$ の三角比は、以下のようになります。
- $\sin(180^\circ - \theta)$ は $y$ 座標なので、$\sin \theta$ と同じ。
- $\cos(180^\circ - \theta)$ は $x$ 座標なので、$-\cos \theta$ となる。
- $\tan(180^\circ - \theta)$ は $\frac{y}{-x}$ なので、$-\tan \theta$ となる。
公式
$0^\circ \le \theta \le 180^\circ$ のとき、以下の関係が成り立ちます。
- $\sin(180^\circ - \theta) = \sin \theta$
- $\cos(180^\circ - \theta) = -\cos \theta$
- $\tan(180^\circ - \theta) = -\tan \theta$
例題
$\cos 150^\circ$ の値を、補角の公式を使って求めてみましょう。
解答
$\cos 150^\circ = \cos(180^\circ - 30^\circ)$
補角の公式 $\cos(180^\circ - \theta) = -\cos \theta$ を使うと、
$= -\cos 30^\circ$
$= -\frac{\sqrt{3}}{2}$
解説
補角の公式は、鈍角($90^\circ$ より大きく $180^\circ$ 以下の角)の三角比を、鋭角($0^\circ$ より大きく $90^\circ$ 未満の角)の三角比に変換する際によく使われます。サインはそのまま、コサインとタンジェントは符号が逆になるのが特徴です。
3. まとめと使い分けのポイント
公式の一覧と覚え方のコツ
余角の公式($90^\circ - \theta$)
- $\sin(90^\circ - \theta) = \cos \theta$
- $\cos(90^\circ - \theta) = \sin \theta$
- $\tan(90^\circ - \theta) = \frac{1}{\tan \theta}$
覚え方のコツ:
- 「$90^\circ$」に着目! 90の「9」を「Q」に見立てて、サインとコサインが「Quality」で入れ替わるイメージ。
- 直角三角形を思い浮かべると、$\theta$ から見た対辺が $90^\circ - \theta$ から見た隣辺になる、という関係で理解できます。
補角の公式($180^\circ - \theta$)
- $\sin(180^\circ - \theta) = \sin \theta$
- $\cos(180^\circ - \theta) = -\cos \theta$
- $\tan(180^\circ - \theta) = -\tan \theta$
覚え方のコツ:
- 「$180^\circ$」に着目! 180は「一直線」のイメージ。サインの値は $y$ 座標なので変わらない(符号もそのまま)。コサインとタンジェントは $x$ 座標が逆になるので符号が逆になる。
- 単位円の $y$軸対称性をイメージすると、サインは符号がそのまま、コサインとタンジェントは符号が逆になることが直感的に理解できます。
使い分けの考え方
- 角度が $90^\circ$ を基準にしているか $180^\circ$ を基準にしているかを見極める
* 例えば、$70^\circ$ は $90^\circ - 20^\circ$ と考えられるので、余角の公式が適用できます。
* $135^\circ$ は $180^\circ - 45^\circ$ と考えられるので、補角の公式が適用できます。
- 目的を考える
* 角度を鋭角にしたい場合:鈍角の三角比を求める際には、補角の公式を使って鋭角に変換するのが一般的です。例えば、$\cos 120^\circ$ を $\cos(180^\circ - 60^\circ) = -\cos 60^\circ$ として計算します。
* 関数を変換したい場合:例えば、$\sin 40^\circ$ を $\cos$ の形で表したい場合は、余角の公式を使って $\cos(90^\circ - 40^\circ) = \cos 50^\circ$ と変換できます。
これらの公式は、三角比の計算だけでなく、グラフの理解や、さらに進んだ三角関数の学習においても非常に重要な基本的な性質となります。何度も練習して、スムーズに使いこなせるようになりましょう。
練習問題
以下の三角比の値を、余角または補角の公式を使って求めましょう。
問題1
$\cos 75^\circ$
解答1
$\cos 75^\circ = \cos(90^\circ - 15^\circ)$
余角の公式 $\cos(90^\circ - \theta) = \sin \theta$ を使うと、
$= \sin 15^\circ$
解説1
$\sin 15^\circ$ の値は、数学IIの加法定理を学習すると具体的に求められるようになりますが、ここでは余角の公式を適用できることを確認するのが目的です。
問題2
$\tan 135^\circ$
解答2
$\tan 135^\circ = \tan(180^\circ - 45^\circ)$
補角の公式 $\tan(180^\circ - \theta) = -\tan \theta$ を使うと、
$= -\tan 45^\circ$
$= -1$
解説2
$135^\circ$ は $90^\circ$ を超える鈍角なので、補角の公式を使うのが適切です。$45^\circ$ は基本的な鋭角なので、そのタンジェントの値はすぐにわかります。
問題3
$\sin 10^\circ$ を $\cos$ を使って表しなさい。
解答3
$\sin 10^\circ = \sin(90^\circ - 80^\circ)$
余角の公式 $\sin(90^\circ - \theta) = \cos \theta$ を使うと、
$= \cos 80^\circ$
解説3
この問題では、角度を鋭角に変換するだけでなく、三角関数の種類そのものを変換することを求めています。余角の公式がこのような変換に役立つことを理解しましょう。
編集・参照情報
- 編集・運営: かわさき楽AIサポート(株式会社スマイルファクトリー)
- 作成方法: 学習指導要領データを検索し、AI生成教材を編集して掲載
- 参照範囲: 第4節 数 学 > 第1 数学Ⅰ > 2 内 容 > (2) 図形と計量
- 公開日: 2026年6月18日
この教材の使い方
保護者の方にお願いしたいのは、お子さんが問題を解き始める前に「いま考えている角は単位円のどこ?」と一言だけ聞いてあげることです。余角と補角の公式は、座標平面に図を描く習慣がつくと、符号ミスが大幅に減っていきます。
塾講師の方は、公式を丸暗記させる前に「$90^\circ-\theta$は直角三角形のもう一つの鋭角」「$180^\circ-\theta$は単位円で$y$軸対称」というイメージを生徒と共有してください。$\sin 120^\circ$や$\cos 150^\circ$を題材に、図から符号を判断させる演習を挟むと定着が早まります。
生徒本人は、最初の数問だけでも必ず単位円の略図を描いてから公式を当てはめてみてください。慣れてきたら頭の中で図を再現できるようになり、余角と補角の使い分けで迷うことが少なくなります。
よくある質問
余角・補角の公式は、学校でいつ頃習うのでしょうか?
多くの学校では高校1年の数学Ⅰ「図形と計量」で扱われます。鋭角の三角比を学んだあと、鈍角への拡張とあわせて登場することが一般的ですが、進度は学校により異なるため、詳しい時期は学校の先生にご確認ください。
子どもが「sinとcosの入れ替わり」で混乱しています。家庭でどう支えればよいですか?
余角の公式では$\sin$と$\cos$が入れ替わる点が最大のつまずきポイントです。直角三角形の図を一緒に描き、角度を入れ替えると対辺と隣辺の役割が交代することを目で確認させると理解が進みやすくなります。
公式を丸暗記させるべきか、考え方から理解させるべきか迷っています。
本教材では「意味を理解したうえで覚える」ことを推奨しています。直角三角形の図から導く流れを一度たどると定着しやすい一方、テスト直前は暗記で乗り切る選択もあり、ご家庭の判断で進め方を選んでいただいて構いません。